キックボードは、子供の遊び道具だと思われがちですが、使い方によっては大人でも実用性の高い移動手段として利用できます。
最近では、電車の駅の周辺は、自転車でも駐輪をやかましく言われるようになり、駐輪場でない場所に自転車を置いておくと、放置自転車とみなされて、勝手に持ってかれてしまうこともありますね。
そうしたときに、小さく折りたためる上に、少しの力でたくさんすすむキックスケーターは、自転車以上に便利になります。
しかし、キックボードの選び方を間違えると、せっかくのキックボードの良さを感じることができませんので、ここでは大人が実用品として選ぶ際のキックボードの選び方を解説します。
ホイールはでかいものを選べ!
キックスケーターのホイールは、車輪のサイズがなるべく大きなものを選びましょう。昔は4インチのホイールが主流でしたが、最近のは、すこしだけサイズが大きくなった5インチのものが主流になっています。一番大きなものは8インチのものです。
なぜタイヤが大きなものがいいのかといえば、一番のメリットは、悪路での走破性が上がることです。
具体的に言うと、小さなタイヤでは乗り越えることができず、前につんのめってしまっていた高さの段差でも、大きなタイヤであれば、前につんのめることなく、超えることができるのです。
また、タイヤが大きい方が、より推進力が上がります。つまり、一蹴りで進むことのできる距離がタイヤが小さいものよりも、より長くなるのです。
より高い段差を超えることができるようになり、一蹴りで進む距離も増えることで、走っているときの安定感もより高くなります。
たしかにタイヤが大きくなると、必然的に全体のサイズも大きくなり、重量も少しだけ増えますが、しかしながら、走りにおけるデメリットは一切ありません。
むしろ、走りにおけるこれだけのメリットがあるならば、少しくらい大きくなってもそんなデメリットは吹っ飛びます。
サスペンションがついていないものを選べ!
最近では、前輪後輪にサスペンションがついているものが登場しました。しかも金額的にもサスペンションなしのものと、それほどべらぼうに値段が変わるというわけではありません。
であるならば、サスペンション付きの方がいいのではないか、と思うかもしれません。
しかしながら、小さなボディーに組み込まれたサスペンションですので、すぐにガツンと底つきしてしまいますので、言われるほど乗車が快適になりません。
そもそも、キックスボードは、平らな場所を走るために設計されたものですので、でこぼこの道を意識的に避けるような乗り方をする努力が大切です。
ないよりもあった方がいいのではないか、といわれるかもしれませんが、サスペンションが付くことによって出てくるデメリットは、本体重量が1kg重くなることと、機構が少し複雑になるので、壊れたり故障したりする可能性が高くなるため、メンテナンスが大変になることです。
さらに、衝撃を吸収するということは、力が吸収されてしまうために、推進力も犠牲になり、一蹴りで進む距離も若干短くなります。
そうしたデメリットを考えると、サスペンションによってもたらされるごくわずかな衝撃吸収のメリットよりも、重くなる、壊れやすくなるといったデメリットの方が大きくなってきます。
エア式のタイヤはNG
キックボードのタイヤは、ローラーブレードで使われている固いPU材質のものですが、最近自転車と同じような空気がはいったエアタイヤのものもあります。
このエアタイヤのものは、オフロードでも走れるというのがウリです。エアタイヤだと、振動の吸収がけた違いに良くなりますし、オフロードでの走破性も格段に上がります。
しかし、当然のことながら、転がり抵抗も大きくなるために、オンロードでの一蹴りの距離は非常に短くなります。
そもそも、オフロードで走っても、すぐに止まってしまうので、何度も何度も地面をけらなければならなくなります。それであれば、自転車の方が楽で、キックボードのメリットも薄れてきます。
アスファルトやコンクリートの環境がない場所でしか使わないのであれば、それでもエアタイヤものはメリットがあるでしょうけども、もしアスファルトやコンクリートがメインであるならば、エアタイヤのキックボードを選ぶのはやめましょう。
ブレーキは後ろのフットブレーキだけで十分?
キックボードのブレーキングの基本はリアタイヤに取り付けられているフットブレーキです。後輪のフェンダーを足で踏みつけることで、フェンダーとタイヤに強力な摩擦を起こして、止めるというものです。
これだと、車輪がなかなかロックしないために、緩やかにしか止まれません。それだと少し頼りないので、ハンドルでも操作できるブレーキが付いたものの方がいいのではないか、と思う方もいることでしょう。
たしかにハンドルで操作できるブレーキとフットブレーキと二つのブレーキがつけば、止まるときの安全性は高まります。しかしながら、デメリットもあります。
ブレーキが強力になり、タイヤがロックすると、タイヤが地面とこすれて、片減りしてタイヤが変な風に削れてしまいます。
また、ハンドルブレーキの場合、ハンドルからワイヤーが出るのですが、これが、地面に引っ掛かったり引きずってしまったりというトラブルが結構起きます。
これがうざったいので、せっかくのハンドルブレーキを取り外す人も結構います。
また、ワイヤーのブレーキは、どんどん緩んでくるために、定期的にワイヤーにテンションを保つために、ネジを締めなおすメンテナンスが必要になります。
そもそも、キックボードはそれほどとんでもないスピードが出るものでもないですし、いざというときは足を地面につけて止まるという方法もありますので、ハンドルブレーキに頼らなくても、それほどブレーキングに困るものでもないでしょう。
といういことで、キックボードはフットブレーキだけで十分です。
ベアリングはABEC7をあるいはABEC5のものを選べ!
キックボードの心臓ともいうべきものが、ベアリングです。ベアリングとは、キックボードの車輪の回転部分のことです。ここにベアリングが仕組まれているのですが、このベアリングの性能が高ければ高いほど、回転摩擦が小さくなるため、一蹴りでの走行距離がより長くなります。
スケボーやローラーブレードでは、このベアリングがすごく重視されていて、回転が悪くなってきたら、ベアリングを交換するのですが、キックボードでは、あまりベアリングまでこだわっているものは見られません。
というのも、やはりキックボードは、あくまでも遊びの延長としか見られていないからでしょう。
はじめから、ABEC7あるいはABEC5くらいの性能のいいベアリングがついたものを選ぶに越したことありませんが、後からでもベアリング部分だけを交換することができます。
ベアリングを性能のいいものに交換するだけで、見違えるほど走りがよくなりますので、回転が悪いなと感じたら、ベアリングの交換をしてみましょう。
まとめ
ここで大人がキックボードを選ぶ時のポイントをあらためておさらいしましょう。
- 大型のホイールを選ぶ
- エアタイヤは選ばない
- ABECのベアリングのものを選ぶ
- サスペンション付きは選ばない
- ハンドルブレーキはいらない
こうしたことを踏まえて、大人用キックボードとして最高なものは次のキックボードです。