テフロン加工のフライパンを止めて中華鍋を使うようになって、初めて中華鍋の魅力に気づくようなりました。鉄のフライパンは扱いが難しい、焦げやすい、そんなデメリットをよく聞くと思いますが、実はそれは誤解にすぎません。中華鍋で料理を作ると、美味しく作れますし、また料理の腕もメキメキと上達します。
ここではテフロンを使ってきた私が、中華鍋を使い始めたことで気づいた中華鍋の魅力を説明します。
中華鍋の魅力を知る前はテフロンが最高と思ってた
以前はテフロン加工のフライパンを使っていました。最近ではダイヤモンドコートなどもものも出てきていますが、共通して言えるのは、焦げ付かないという点です。
油を使わなくても、こびりつきませんし、焦げ付くこともないというものです。
使い始めは、その性能に驚くのですが、しかしながら、使っているうちに、焦げ付くようになったりしてきます。そのときに、実際は自分の使い方が悪いだけなのに、「もしかしたら、表面のテフロン加工のコーティングが取れてしまったのかも?」と思い始めます。
そうなってくると悪循環が始まります。もっと高性能のものを買えばもっと良くなるのかも?と高価なものをほしくなったり、ちょっと料理がうまくいかないと、テフロンコーティングが剥げてしまったのかもと、すぐに買い替えてしまうようになったり。
しかしあるときに、なぜ料理のプロは、テフロンを使わずに中華鍋を使うのかなぁと疑問に思いました。テフロン加工がされていない中華鍋でも、焦げつかすことなく使えばいいのではと思い、中華鍋を使い始めてみたら、その魅力に気付いたのです。
テフロンだから焦げない、中華鍋は焦げるの誤解
中華鍋を使い始めて気づいたのは、テフロンでも焦げ付かせてしまうことがあるし、中華鍋でも正しく使えば焦げつかすことが無いということです。
確かにテフロンは買ったばかりのときは、焦げ付きはあまりないかもしれませんが、その効果は一生涯続くわけではありません。困るのは、その効果がどのくらい続くのかがわからないし、また今、その効果がまだあるのかないのかも、知るすべがない点です。
しかしながら中華鍋であれば、もし焦げ付いてしまったとすれば、その原因は、使っている人の使い方が原因です。つまり、正しい使い方をすれば、中華鍋もテフロン加工のフライパンと同様、焦げつかすことなく使うことができるのです。
テフロン加工のフライパンも、焦げつかすことなく使い続けることができますが、焦げ付いたときに、使い方が悪かったのか、テフロンの性能が落ちたのかがわからないため、対処も難しいのですが、中華鍋であれば、焦げ付いた原因は自分の使い方が原因であることがはっきりしているので、その使い方を改めていくことで、どんどん料理の腕が上がっていくのです。
中華鍋の魅力は美味しい料理を作れるようになる点
中華鍋を使い始めて明らかに、料理を美味しく作れるようになりました。具体的には野菜炒めなどはシャキシャキに作れるようになったし、にんにくなどの炒め物などの下味を、食材全体に回すことで、味を均一に仕上げることができるようになりました。
なぜそうなったかというと、それは中華鍋の形状にあります。
テフロン加工のフライパンの底は真っ平らですが、中華鍋は底が球状です。
鍋の底が平らだと、その面に接している部分のみが強く加熱されるため、食材全体で、加熱ムラがかなり出てきます。
熱が回っていない部分に熱を通そうと思っても、底が平らだと、ひっくり返しにくいです。
その点、中華鍋だと底が丸いので、食材全体に熱が回りやすいし、また、熱が回っていない部分を熱するのも、ちょっと中華鍋をフルだけで、食材を鍋の中で回すことができるので、食材に均一に熱が回りやすくなります。
これによって、食材に均一に熱が回るし、また中華鍋を振ることで下味を食材全体に均一に行き渡らせることができるようになるのです。
丈夫で一生涯使えるのも中華鍋の魅力
テフロン加工、ダイヤモンドコートの鍋は使い始めのときは、それこそ、焦げ付かずに素晴らしい働きをします。しかし、使っていくうちに、表面のコーティングが剥がれていってしまいます。
そうなってくると、焦げたりこびりついたりするようになりますが、困ったのが、それが、料理の腕が悪いのか、フライパンの性能が落ちてきているのかがわからない点です。
そうなってくると、テフロン加工のフライパンに対して、疑心暗鬼になってきて、もっと高くて性能がいいものに買い換えればいいのかもしれないと思い始め、まだじゅうぶんつかえるはずのテフロン加工フライパンを捨てて新しいものを勝ってしまうという、悪循環に陥ります。
また、テフロン加工のフライパンでは、金属製のヘラやフライ返し、お玉の使用は厳禁です。表面に傷をつけてしまうと、テフロンが剥げてしまうからです。テフロンを長持ちさせるために、非常に気を使います。
中華鍋の場合、傷を付ける心配は全く要りません。金属製のヘラやお玉をガンガン当てても全く問題ありません。
洗うときも、金属たわしでごしごし洗えばOKです。取手も溶接されているので、取れる心配も無用。中華鍋は丈夫でタフで一生涯使うことができるのです。
ただ、金属が錆びないようにメンテナンスをする必要はあります。といっても別にまったく難しいことはなく、洗った後に、少しのあいだ火にかけて、水分を飛ばして、油を塗るだけです。
中華鍋は料理をしているという実感を感じることができる
中華鍋のもう一つの魅力は、料理をしているという事を感じることができる点です。中華鍋は、炒め物をするときは、鍋を振って食材を鍋のなかでくるくる回します。そして、お玉などでかきまわすときは、お玉と鍋がこつこつぶつかって、いい音が出ます。
中華料理屋さんでチャーハンを作っているときに聞こえてくるあの音です。
これは、中華鍋独特の特徴です。
テフロン加工のフライパンでは、中華鍋のように豪快に食材を回すこともできませんし、テフロン加工をいためてしまうため、お玉でフライパンを激しくぶつけることはしません。
よって、テフロン加工のフライパンでは、作っているときに、カンカン音をだすこともありません。じつに静かに作らなければなりません。
そうしたことからも、料理を作っている実感ができるというのも、中華鍋の魅力です。
中華鍋のデメリット
中華鍋を使い始めて、本当によかったなとおもいますが、デメリットもあるのは事実です。まず、そもそもIHでは使うことができないということです。
IHは電磁コイルで温める方式ですが、これは電磁コイルの接地面のみがあたたまる仕組みなので、底が球状になっている中華鍋の場合、コイルとの接地面は非常に狭い、点でしか無いため、鍋全体を温めることができません。
よって、IHの人は、そもそも使うことができないのです。
一応、一部の底面を平らにしたIH対応の中華鍋も売られていていますが、もちろん本物の中華鍋とは大幅に使い勝手が異なります。IHしか選択肢がない人が、どうしても中華鍋を使ってみたいというのであれば、ある程度は中華鍋の雰囲気を味わうことはできるでしょう。
また、中華鍋のデメリットとして、テフロン加工のフライパンと比べて、手間がかかる、というのがよくあげられます。
テフロンの場合は、材質も錆びにくいものが使われているので、水洗いすればそれでOKで、手間がかからないといいます。
中華鍋の場合、鉄が使われているので、水洗いしただけでそのままにしておくと、サビてしまいます。
そのため、錆びないようにするための手入れが必要となります。
中華鍋を使ったことがない人は、その手入れがすごいめんどくさいように思うかもしれませんが、実際に、大したことはありません。
中華鍋の手入れは、使って水洗いした後に、火にかけて水気を飛ばして、薄く油を塗るだけです。時間にして数分で終わる作業です。
テフロンはどんなに手入れしていても、かならずテフロンが剥げてきてしまいますので、買い替えの必要が出てきますが、中華鍋はこの使用後の数分の簡単な手入れをすることで一生涯使えるのですから、中華鍋を使っている人は、その手入れの手間がデメリットと感じる人はいないのではないでしょうか。
家庭用で使うならプロ用の中華鍋を選んではいけない
中国料理の達人たちの殆どは、鉄がむき出しになった中華鍋を使っていることに気づくと思います。もちろんむき出しのところを素手で持つと火傷をしてしまうから、そのむき出しの部分を、布などを間に挟んで持っています。
それであれば初めから、プラスチックなどの柄がついたものを使えばいいのに、と思うことでしょう。でもなぜ、わざわざむき出しの鉄の中華鍋を使うのでしょうか。
じつは、中国料理の達人たちは、常に非常に高温の状態で料理をするため、柄がプラスチックだったりすると、すぐに溶けたり、あるいは付け根が緩んでぐらついてしまうためなのです。
しかし、家庭用で使う際に、家庭用のコンロでは、柄が溶けてしまうほどの火力を出すことは不可能です。
よって、わざわざ布などを使わなくても、持つことのできる、木製の柄の中華鍋を選ぶ方が、使い勝手がいいでしょう。